犬と違って、猫にはキスの習慣が無いので、猫はキスなどしないものだと
飼主は思っていました。クルシャ君と暮らし始めるまで。
もちろん、嫌がる猫に無理矢理キスするなんていうのは論外ですが、猫から
キスしてくれる場合は事情が異なります。こうなると、様子を見ながらたまに
キスしても許されるということになわけです。猫によっては、決してキスが
タブーではないということは、覚えておいてもいいことです。
もしかすると、猫の中にはキスが好きで、ずっと待っている子だっているかも
しれない。それに、よく思い出してみれば、猫同士で頻繁にキスしてるわけですよ。
むっちりしてないから分からないだけで、触れるか触れないかのところまで近寄せて
挨拶している仲良しさんたちがいるわけですよ。
猫の暮らしの中で、キスは仲良し同士の特別な挨拶として認められているとするならば
ヒトと仲良しの猫がキスを拒む理由は特にないということですね。
芯から冷えるような寒さには、もう暖房もスパイスも粕酒も効きません。
深いところから小さな火を灯して冷え切った存在そのものを温めなければ
春までに石になってしまいそうです。
そこで、アリアンに会いに来ました。
彼女こそ、じんわりとキスを待ち続けているなかよしの猫なのです。
クルシャ君でもいいのですが、温かみが違う。
このサイズとダブルコートと被毛の美しさの迫力。
キスだってボリューミーなわけです。
なでられて、ついキスするアリアン
抱きかかえて迫らなくても、こうして自分からキスしてくれます。
寒いときにはアリアンのキス。
すると一瞬で冷め切った体の奥に陽の光が射すような気分になります。
そういえば、旧暦の正月。早春には小さな暖かさがよく似合います。
お知らせ
本日、出版社から献本が来ました。
雑誌『ねこ』に掲載されたクルシャ君の様子が、新たに本となりました。
『ねこ写真3』株式会社ネコ・パブリッシング ISBN978-4-7770-1759-1
定価 454円
クルシャ君はどうやって来たのか、謎の飼主の正体とは何か、雑誌の記事その
ままに書いてあります。写真のクルシャ君はやや怖がっていますが、いい表情です。
日本の猫写真専門雑誌の中でも、写真の質が突出して高いのがネコ・パブリッシングの特徴。
長く持っている価値のある本になっています。ソフトカバー。
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