10月になりまして、毎年楽しみにしている地下鉄駅ビルの
一階における新酒味比べバーに通い始めております。
寒いからキスします
カメラにキスしてくれるクルシャ君。
涼しくなってくると、猫も冬毛になってくると同時に
添い寝してくれる頻度が高くなります。
幼い頃から、クルシャ君にはとにかく人に触れることを慣らすように努めて
きました。生まれつき、くっついているのが好きなのかも知れませんが、
おかげで、添い寝してくれる猫になりました。
しかも密着系
前脚や顎を飼主の体に乗せてくれるだけではなくて、クルシャ君はあの
柔らかいおなかを密着させてくれます。
まさにこの世の極楽
敢えてかっこわるい言い方しました。
温泉よりクルシャ君の密着。
高級星付き料亭のコースより、クルシャ君の密着。
こんなに幸せでいいのだろうか、と思いながら一緒に眠って、
起きたら彼に何度も御礼を言います。
そんなクルシャ君の、冬毛になりきる前の後ろ姿を動画で
昼猫の背中
尻尾の幅が、胴体よりやや狭いくらいですね。
冬毛になると、同じくらいになるのか、確かめてみたいと思います。
密着したら、噛んでもいいですか
それは困ります。
ところで、名古屋城で戦災を免れた障壁画「麝香猫図」が展示されています。
画像に関する著作権の関係などありますので、検索して画像を御覧頂くとして
「麝香猫」とは何でしょう?
麝香自体は香料の世界でシベットといいます。すなわち麝香。麝香鹿の分泌腺
だったりもしますが、ジャコウネコの分泌腺もあのきつい香り。
秀吉の頃、交易船が麝香を献上した(動物の身体の一部)という記録がありました。
飼主が気になって仕方ないのが、ニュースで見た障壁画の「麝香猫」がどの動物
なのかということです。記事には出て来ない。それで調べました。
『和漢三才図会』や本草書など近代以前の分類で麝香猫とは何なのかが、そもそも
現代の麝香猫と違う。狸が猫だったり、狢がハクビシンだったりします。
しかし、名古屋城の「麝香猫」は絵師が現物を見て描いたようです。
交易船から献上された「麝香猫」を描いたらしいのです。
すると、現存するいずれかの動物に「麝香猫図」のモデルが合致しなければならない。
生きて日本に辿り着いた「麝香猫」がいたのですね。
龍や獏とは違うのです。いずれかの動物をして「麝香猫」と呼んで、絵にしたわけ
なんですよね。
すると、現存する動物と「麝香猫図」とを同定する根拠はいよいよ、この絵しかないわけです。
ジャコウネコ科の生き物の写真を検索して、最も似た生き物を探しますよ。
ジャコウネコ科の生き物は主に樹上生活をしていて、マレーシアからインドネシア、インド
一帯に分布しています。耳が丸く、口吻が長めで、尻尾は短い毛が密生。どの特徴も一般的
なものでは絵画の動物に合致しない。
しかし、たったひとつ、尻尾がふさふさで、絵にある薄いマーブル模様を持ち、個体によっては
体の内側部分に白い毛が見える生き物を発見しました。
ピントロングです。
パームシベットやキノボリジャコウネコより、ずっと絵のモデルに近い。
各個体の毛色や顔立ち、尻尾の様子につきましては「どうぶつのくに」のビントロングのページ
を御覧下さい。
ジャコウネコ科最大の稀少で不思議な動物、ピントロングこそが、名古屋城の「麝香猫図」の
モデルであると、飼主は結論致します。
しかし、この結論には二つの予断がある。ひとつは、「麝香猫の現物を絵師が見て描いた」
ということ。もうひとつは「麝香猫が生きて日本に辿り着いた」ということ。記録を調べた
のですが、出て来ないんですよね。なにしろ狩野派だから、何を描くのもすべて手本帳を
用いて工夫して描くなんていうのは普通にやってます。すると問題は手本帳の存在とそこに
描かれた「麝香猫」の特徴が障壁画に合致し、なおかつ手本帳の原画は実物を見て描かれた
というもうひとつの予断がなければ、狩野派の「麝香猫」はピントロングである、とは言えない
わけなんです。あと問題になるのは、何故画題を「麝香猫」にしたのかということ。
南蛮から珍しい生き物が来たから描いておこう、という動機からであったとはこの際断定できない。
ニュースの扱いもそんな感じですよね。すると、クライアントの希望があったか、何ぞ他所に
ない珍しい物を描こうということであったかのいずれかです。おそらくは後者か。
生きたピントロングが400年前に日本にやって来て、大事にされていたと思いたいのだが
夢を見すぎでしたね。
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