『ウルタールのうる』第三十一巻が出版されました。
ブログでの連載が止まってからの実質第二部に関しましては、遊びを
減らし、世界の構築と設定、難問の提出と解決の実践に方向を転換
しております。
三十一巻では、異種世界の国家観と、ウルタール世界の時間についての
一部の伝統的な解釈、謎解きが行われています。
直観でも論理でも、謎解きの可能性を楽しめるように描き続けて
参ります。
本ガイドが読者の皆様方にとって助力となれば幸いでございます。
ウルタールのうる: 巻三十一 (うるたやBOOKS)東寺 真生うるたや
表紙
アビフ三姉妹の次女 レア
「リンクスの魔女」、三姉妹の次女。
敗軍の兵として無聊を託っていたアビフの姉。
二年後の未来を予知する能力を持つ。
アビフをウルタール鎮西軍山猫隊の最初の一員として採用
するために、コウセキらが訪れた際に姉妹らと計って彼らを
婿に取ろうとするが失敗。同日、鎮西軍のホウサク准将から
求婚を受けて妻となる。
夫となったホウサクは新婚の居を定めるより先に、共同軍の
屍鬼軍海上要塞タンパライ攻略の先陣指揮官となり、散華。
未亡人となってローガールで姉と妹、弟らを支え続けた。
第三十一巻のあらすじ
ウルタール軍事技術研究所の開発した新兵器「盼虎」が稼働する。
リンクスの都ローガールでは、女王シュク17世が国難を救った三姉妹のうち
次女のレアを慰労のため、昼の茶会へと召す。レアは自らの境遇と、その才能
に隠された苦難について身を切るような思いで語る。
突然、蛮都ンガリハリへの最終攻勢の準備をしていた共同軍に、ンダモが休戦
提案の使者として現れるが、同時に対処が困難な難題を解決するように要求してくる。
キャラクターピックアップ
ンシトーマ
屍鬼軍海上要塞タンパライ指揮官。ウルタの指揮する共同軍主力によって
屍鬼海軍の唯一の拠点であったタンパライを失うが、自らは屍鬼がリンクス
から奪って独自に開発した無線技術を用いて、無人自爆艦隊を組織。
自爆艦列を先頭にした、衝角突破戦術を用いて、要塞に残った僅かな部下
らと共に、敵艦隊の封鎖を突破。
しばらく洋上を彷徨うが、長島発のウルタール海軍に補足され、その場で
投降し、捕虜となる。
ンダモが休戦の使者となって共同軍陣営に接近した際、報に接した長島の
海軍将兵らの騒ぎに紛れて、収容施設から脱出。行方不明となる。
事象
ダイオウミミヒカリ
ウルタール世界で最も高価で幻想的な香料は「サバクミミヒカリの巣」
であるとされる。サバクミミヒカリ自体、その生態も姿も明らかな
生き物ではなく、魑行砂漠にのみ生息する。サバクミミヒカリは夜光
すると言われ、砂漠に浮かぶ夜の光から「魑行」と呼ばれるとも。
この生物は砂に潜み、粘液で周囲を固めて巣を作るが、その際に
身体から滲出する液体が香料に変化する。
サバクミミヒカリの滲出液自体は悪臭であるが、年数を経た巣の樹脂状
物質を焼べると、高貴な香りを発する。
ダイオウミミヒカリとは、サバクミミヒカリの一種とも別種とも定か
ではないが、噂としてのみ伝わっている、砂中の生物。
アイタイダ指揮下の「盼虎」部隊によって、初めて存在を確認された。
新刊『ウルタールのうる』第三十一巻
表紙 アビフ三姉妹の次女 レア
「時とは、予知とは、このようなものでございます……。」
附 「ウルタール世界の地図」
「ン・マウマウライン北方邀撃作戦図」
ダウンロードしてすぐお読みになれます。
ウルタールのうる: 巻三十一 (うるたやBOOKS)東寺 真生うるたや