去年あたりから、近いのでよく訪れております、龍谷ミュージアム。
今回も期待してます。
何と言っても、かねてから資料で見ていた奈良絵本や
巻物、断簡の本物が拝見できるので、ありがたい。
一休宗純構想による、絵巻物なんか初めて見ました。
今で言う、ライトノベル的な話を書いてたんですね。
しかもしっかり絵巻になってました。
漫画原作者みたいなもんですね。
その構想も、仏が軍を起こして地獄の亡者を救いに向かう
などという、ちょっとよく分からない話なので、是非本物
をご覧下さい。
まだ開催展示中であります。
こやつは名前がありました。
どこかに現れたという怪物らしいのですが、
名前が何ちゃんだったか失念。
展示にてご確認下さい。
明恵の夢日記のような書き付けより、明恵の手による
絵というものがあったのに驚きました。
貴重だし、あまり見た方もおられないのでは。
大体分かると思います。
猫か虎なんでしょうね。
申し訳ないが、虎なんだろう。
尾形光琳の竹虎図も本物を拝見できて幸せでございました。
例によって、池大雅や最近人気の仙崖や、白隠の絵もございました。
まあ、あるだろうな、と。
しかし
不意を突かれたのはどこかの千家の宗匠が、その場で何も参考にせず
描いて欲しいと望まれて描いたとか謂われが書いてあり、更に、後に
この宗匠の描いた例の虎が欲しいと言われたので賛を書いて渡す、など
という、やたら言い訳がましい説明が付いた絵を、その通りに学芸員
が一切茶化さずに展示してあった、そういう作品があります。
全展示物中で「テーマからすると」、白眉となるのがこの一点。
飼主はたいへんな衝撃を受けました。
すごいもの見たな。
いや、現実に見て欲しい。あんなのを隠していたのか、今まで。
衝撃の余韻を秋の夕空に吸わせます。
飼主も以前、記憶だけでムーミン描いて、語り草になったこと
ありますからね。
「君の頭の中に居るムーミンはこれなのか?」と尋ねられて
「いや違う、君の中に居るのとそっくり同じはずだ。ただ私が描くとこうなるのだ」
と力説しつつ、自分の描いたムーミンを見て、腹は痛いわ涙は出るわで
ほんと辛かった。
残念なことに、その絵は残っておりません。
そのようなことをどこかの千家の宗匠もお試しになって、茶室がえらいこと
になったのは想像に難くないわけであります。
ウルタールのうる: 巻三十 (うるたやBOOKS)東寺 真生うるたや