クルシャ君は、病弱ですが、性格は
いたずら、上品、社交的
といったところでしょうか。
荘重さや気品の一段の重さが無いので、族長と呼ばれています。
ウルタ君のことをいつも思い出しています。
イタズラした直後、または過剰な狼藉を飼主に抗議されたとき、
叱責ではありません、あくまでも抗議なわけですけれども、そんなとき
ウルタ君は
「飼主の正義とうるの正義とどちらが妥当か、戦って決めよう」
と迫ってきました。
古い貴族か戦士の徳としか言い様がない。
前世が六道の阿修羅なんじゃないか。
同じ悪事をクルシャ君も働くわけですが、飼主が抗議すると
「なんですか?気分良くしましょう。ほらおしりおしり
飼主にはもっとおしりが必要です。おしりだらけにしましょうね」
と、おしり責めしてきます。
もちろんクルシャ君はウルタ君より頻繁に怒る質なので、すぐ殴ってくるし
噛みついてくるし、手間が掛かって仕方ない。
それでも、謝らずに済ませてしまう手段として、愛嬌と挨拶を選択する、
そういう族長なのです。
ウルタ君もクルシャ君も結局謝らないわけですが、同じような
やらかしを見つけた時の飼主の気分が違います。
ウルタ君の場合、飼主が彼の為した迷惑を発見しているところを
観察していて、逆ギレ気味に尻尾を叩き付けながら睨んできてました。
こういうことが続くと、トイレの砂をいつもより余計に掻きだして
遊んだのを見ただけで、飼主は「こっち見てる、狩られる。うるに狩られる」と
どきどきするわけです。
血管が縮むようなストレスを感じたものです。
クルシャ君の場合、ウルタ君よりさらに不器用でイタズラを繰り返す
ものの、現場を見つけても
「これはおしり接待ものだな」と、にやにやしてしまいます。
もう、にやにやしながら後始末するわけです。
決して、叱って萎縮させたりしないように気をつけようと、クルシャ君の
性格を大切にしています。
神棚から三方落としたり、高価な香炉をたたき落として破壊したり
してますが、そんなことで怒らない。
血を対価にして正義を訴える猫より、おしりで誤魔化そうとする
猫の方が平和ですよね。
かなり違うと思いますけど。
ウルタールのうる: 巻二十九 (うるたやBOOKS)東寺 真生うるたや