Quantcast
Channel: クルシャの天地
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2253

独りで遊ぶことにしたクルシャ君

$
0
0




その日、クルシャ君は俯いていました。
フードも貰ったし、寒くないし、抱き上げてもらったし
いつものように耳元で大好きだと何度も聞かされましたが
まだ足りない。

遊びだ、遊びが全く以て足りていない。

おもちゃにも飽いたし、できれば襖の向こうにいる飼主を
絡めて遊びに取り込んでしまいたいものだけど。








ひらめきましたよ!








クルシャ君は廊下から、飼主が部屋に居るのを確認して








床に目を留めます。そこには、拝観調整用と思われる金属の
蓋が嵌まっています。これをおもちゃと思い込む。

思い込む。

思い込むと、おもちゃに見えてくる。









やっぱり無理か。









でも、諦めない。

見つめていると、やはり剥ぎ取りたい。
剥ぎ取って、転がしてみたい。





床の金属にテンション上げてる猫




やたら、廊下でバタバタしているので、見に行くとクルシャ君が
こんなことしていました。
わざわざすぐ近くでこうしてはしゃいでます。

遊んでいるのが見つかると、見つかったことが恥ずかしいような
嬉しいような気持ちで挨拶にやって来ます。








こうしてクルシャ君の目論見は成功したのでしたが、目的を
達成したにもかかわらず、自分で自分にかけた暗示から
抜けられない。








こうして、飼主に構われた後でも、床の金具がしばらく
気になってしまうクルシャ君でした。







新刊『ウルタールのうる』第十一巻

表紙 雑山猫隊ホクマー 「え、表紙が俺でいいの?」

附 「ウルタール世界の地図」

  
3月21日16時より5日間無料配本



ダウンロードしてすぐお読みになれます。

次巻発売開始迄には、当ブログ内の該当連載記事が
順次消去されていきます。


ウルタールのうる: 巻十一 (うるたやBOOKS)クリエーター情報なしうるたや




Viewing all articles
Browse latest Browse all 2253

Trending Articles