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『ウルタールのうる』第十二巻ガイド

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『ウルタールのうる』第十二巻が出版されました。


最新稿を書きながら、二稿、三稿の直しを行い、こちらのガイドも
出しております。このところ、こうした作業に時間を割けなくなって
参りましたが、しっかり進めて参ります。


本ガイドが読者の皆様方にとって幾分かの助力となれば幸いでございます。





表紙


鎮西軍将軍護衛官メナス。
第四十四回鎮西軍発足以前に部下と共にウルタの護衛として近侍する。
二十名余りの護衛官隊長としては2代目となる。初代はウルタの執務室
に、あからさまな賄賂攻勢をかけてきた陳情者たちを調べもせずに通した
ため、解任された。
豪毅不抜、忠義一徹が身上のメナスは、臨機応変の駆け引きにも通じる。
ウルプライムで飼主襲撃事件が発生した際、部下を率いて主犯の捜査の
為に現地へと赴く。しかし、このため戦地におけるウルタの身辺警護が
皆無となり、ウルタは最前線でリンクス軍主力による狙撃兵らの標的と
なった。
護衛官の制限された権限に縛られながら、任務の為に捜査対象に幾度も
突入を繰り返し、真相を暴くことになる。
捜査任務遂行中、ウルプライム警視庁と対立するが、取り調べでは相手の
隠された動機を見抜いて、逆に心理的動揺を引き出した。





第十二巻のあらすじ 

人間に対して敵対的なウルタール警察庁は矢島失踪に関して飼主に嫌疑
をかける。リンクス首都ローガールは一大葬祭都市だった。ここでは
幽明の隔たりが無効化され、亡者らが鎮西軍を悩ませる。リンクス女王
不在の期間にナタン大将軍が叛心を抱くのではないかという懸念にウルタ
は打つ手を持たない。目前の新たな危機に対してロウタン中将は何重もの
仕掛けを用意していた。





キャラクターピックアップ


エリアフ

リンクス貴族出身武官。リンクス貴族の名家アロニ家当主104代目。
軍のエリートである女王直属の不死隊から、更に優秀な選良のみが
入隊する緋色不死隊の隊員となった。
険塞台地の戦いに於いて、移動宮殿の門前を守備しながら、突入して
きた鎮西軍黒猫隊に対して、単独で名乗りを始め、敵指揮官との
決闘を要求した。数十分に及ぶ先祖らの軍歴を披瀝するが、数カ所
で言い間違いがあった。
エリアフが言い違いをした原因は、緊張とともに、リンクスの祖霊
系統が数世代前から書き換えられているため、家伝書で覚えた内容
と、国家が書き換えた内容とに矛盾があったためであろうと思われる。
儀礼として名乗りを終えたエリアフは、自国ではあり得ない、名乗りに
於ける間違いの指摘をカツゲンから受けて動揺。さらに、誇るべき
軍歴も無いと嗤われて、正気を失った挙げ句、心の病を抱えて生涯
を終える。アロニ家前当主はエリアフを廃し、別の者を105代目とした。






事象


葬祭都市ローガール

古代エジプト新王国時代、死後の冥福への希求は人生を支配した。
『死者の書』文書群は、故人が冥界での予想される試練をどのように
克服すれば良いかについて、ほぼ逐次的に説明してある死後生の
マニュアル。神官が法外な代金を受け取って作成し、死後木乃伊や
副葬品と共に埋葬される代物だった。

リンクスのローガール地域一帯では、単に世界観によって冥界が
尊重されるのではなく、亡者による積極的な介入が日常的に発生する。
死者たちは権力を持ち、実力を行使するため、リンクスの法では
彼らの権利を保護する条項が必ず追加されている。

祭官の長であるリンクス女王の権威は、生ける先祖たちの支持にも
根拠を持つが、そのため政策の冥界秩序に関わる部分の変更を決定
する際には、先祖らによる意志執行の対象となることが度々ある。






ウルタールのうる: 巻十二 (うるたやBOOKS)クリエーター情報なしうるたや

新刊『ウルタールのうる』第十二巻

表紙 将軍護衛官 メナス 「任務中です」

附 「ウルタール世界の地図」


ダウンロードしてすぐお読みになれます。

次巻発売開始迄には、当ブログ内の該当連載記事が
順次消去されていきます。

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