クルシャ君の寝姿を見ながら、至近の神社の話など。
先月、夏越の大祓がありました。
五條天神は、史家や宗教学者の解説によると、祇園社(八坂神社)と協力する
形で都の災いや疫病を防御する役割を果たしていたそうです。
両社は鴨川を挟んで体面する形になっています。
さらに指摘するならば、八坂神社にある疫社は西面しています。
そして、五條天神は東面している。即ち、鴨川を両社が浄化の
祭礼の場として機能維持していたことが分かるわけです。
この指摘は、15世紀にこの神社が天皇から流罪に処されて後赦された
ことによって、祇園社の末社となったという説から始まる一連の議論
に於いて、重要な解釈上の基点となるので、どうでも良いことでは
ないのです。
祇園祭に関して、小坂の疫神社の祭礼についてはよく言及されるが、
都の運営について同等の責任を持っていたこちらの役割については
まず語られることも無い。
祇園祭は大きく言うと疫避けの祭なわけですが、五條天神の立場の
変化が無ければ、ここが祇園祭の中心だったかもしれないわけです。
こちらは大祓の祭で人形の紙を浄めるところ。
かつてはこのような祭礼が鴨川の汀で行われていたんでしょう。
『大祓の祝詞』は分かり易くて詩的で飼主は好きですね。
どの様にして具体的に浄化が行われていくかについて、敢えて逐次的に
言及することは、古代エジプトの祭文にも見られる、別の状態への移行
についての集中と達成が焦点化されています。儀礼上の技術としては古代
に普遍的に見られる傾向です。
水による浄化というと、潁水で耳を漱いだりする許由の話(『荘子 逍遥遊』)ですかね。
確か、耳洗ってると牛飼いに怒られるんですよね。
クルシャ君ただいま。茅の輪くぐりの茅が落ちていたから、猫じゃらし代わりに
遊ぶ? 持って帰ってきたんだが。
厄払いで汚れた茅なんかで遊べますか
こんなふうに許由が怒られてます。
牛飼いの名前は巣父(そうほ)。
水のソーテール11: 洗礼のダエーナー (うるたやBOOKS)東寺 真生,明鹿 人丸うるたや
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