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狛犬の典型的様式推移を一覧できる場所

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全国の猫好きで神社好きで狛犬好きのみなさん、こんにちは。飼主はあなたがたの
友達です。しばらくお待たせいたしました。最新の狛犬観察の記事をお届けいたし
ます。

散々今まで「gooブログの記事カテゴリーに寺社が無いのはどうしたことだ」と
愚痴って参ったところ、この三月になってようやく追加されたので、記念の記事
でも上げておこうということでございます。


冒頭の写真は菅大臣神社境内の狛犬の尻尾。
狛犬の様式は、主に尻尾に顕著に表れている、という指摘につきましては
既に皆さんの共通認識となっていることでしょう。

狛犬は尻尾を見ること。

こちらは幕末期の狛犬によく見られる様式で、髪を編んだような、
綱を結ったような形をしています。結綱形式としておきます。


もう一枚。







ところで、『American Journal of Applied Science』が2016年2月
にアクセプトしたカザフスタンの絶滅哺乳類についての調査論文によりますと、
一般的にケナガサイの仲間、種名はエラスモテリウムと呼ばれていた
動物が、
今まで推定されていたよりも長く種が存続していたらしい、ということが示され
ました。35万年前に絶滅したと考えられていたものが2万9千年前まで生きていた
らしいということで、神社の狛犬好きにとっては中国あたりにいたケブカサイ
に、角のある方の狛犬の起源を見るばかりか、あの純潔と信仰のシンボルで
あったユニコーンの元イメージとされるエラスモテリウムのイメージが狛犬に流れ
てきている可能性に留意する必要が出てきたのでございます。
もちろん、ここで言う狛犬とは、二体一対になっている神社の狛犬のうち、頭に
角が一本屹立して生えている方の狛犬のことでございます。

何故エラスモテリウムの種命の延長がユニコーンや狛犬と関わるかと申しますと、
記事には明白に指摘してありませんが(知ってて当然だから)、現生人類の
シンボル形成の起源は8万年より前には遡らないからであります。旧人ならまだしも、
原人が見ていたようなものにつきましては、我々の情報には組み込まれ
ないのであります。






幕末期の狛犬は顔が猿っぽいのが特徴。







日本の狛犬は貴人の寝所の隅を護る置物が野外に移転し、聖所を
鎮護する置物となったわけですが、大陸では寝所にこれらが来る
以前は、墓守をやらされていたようです。暗い場所から次第に
表に出てきたようです。

よく分からないのは、鎮墓獣(唐代に作多し)まで遡ったとして、
それ以前となると、いきなりバビロニアの獅子になったり、
突然エジプトのスフィンクスまで飛躍したりするような説明が
多々見られるということです。この粗雑な飛躍は、丹念な
イメージ追跡と研究がなされていないという現状の認識の貧困を
端的に示すものであります。







案外見落としがちな境内にまだ名残の花を残している紅梅を発見。







実はこちらが「飛梅」でした。
飛梅といっても、飛んだのだから元の故地にあるわけはない。
飛んだ先にあるのが飛梅じゃないのか。いやそもそも飛んで
などいないのだから、飛ぶほど菅大臣に愛された梅の子孫で
あれば「飛梅」と呼んでもいいのだとか、なんとでも言えて
しまうのでありましょう。天満宮の梅は大体飛ぶらしいので
もう誰もそんなこと言い立てないのです。







境内の拝殿前の狛犬が古風を残しているとすれば、拝殿の
囲いの外を護っている狛犬は、近世のスタイルを示して
います。
尻尾は火焔型。







口を開けている方の獅子タイプの狛犬。
クルシャ君に似ているのがこちら。







境内に咲く椿の残りが、その台座の隅にありました。




そして





参道を護っているのが、最近のデザイン。


このように、三対の狛犬があって、様式の変化を一個所で通覧することが
できます。狛犬好きな方にはお勧めしたい、社殿も立派な清々しい場所です。







社殿は下鴨から移築されたとか。







この日は桜の咲き初め、椿と梅の名残が楽しめる、晴れた良い日でした。





実は桜の名所でもある。






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