京田辺市。
かつてこの地域は、99年から2005年を経てしばらく継続した
「平成の大合併」の影響を受けて自治体が再編されました。
新しい地域名を模索するときに、「一休市」という名前が挙がったという
話は、未だに聞きますね。
飼主は「かぐや市」か「竹取市」にすべきだと思うんですがね。
『古事記』に開化天皇の孫の娘として「迦具夜比売命(かぐやひめのみこと)」
が出てきます。この話、結構有名。
一休寺山門。
以前、大神神社でさかばやしと一休宗純の話を出したときに、いずれ
一休寺で虎退治でもするかなどと嘯いたことを実行しにやってきたと
いうわけです。
石積みも立派です。
写真右側に見える参道は、薪神社へ通じています。
山門をくぐったところ。
一休殿、本日は屏風の虎をお借りしますよ。
「堪えず青苔紅葉の地」(「紅葉狩」)
紅葉が進むと、絵のような美しさになるのは間違いありませんね。
一休寺本堂に到着。
あたりまえですが、戦前の一休寺の写真と比べても全く同じ佇まいです。
上の写真を撮った地点から、本堂を背にして振り向いた景色。
どこからどう眺めても美しくなるように計算されているのが分かりますね。
堂内に入りましたぞ。
おっ、さっそく虎が居るのう。
すぐに対決はせぬ故に、待っておれ。
虎を横目で見ながら、堂内を移動。
一見しても、近くで拝見しても分かるのですが、見事な虎です。
竹林でもって虎が嘯くと、風が吹くんでしたかね。
これだけ近写してもまだ分からないので、もっと寄れば良かったと
後悔しているところですが、この虎、毛筋の一本まで丁寧に描いてあります。
中国の虎だからシナトラか。あの人酒飲むと大トラになるんでしたかね。
対決の為に許された時間が僅かしかなかったのが残念。
立ちふさがって警戒している虎を侮ってはいけません。
この姿は、虎が己の全存在を賭けて、屏風に面している各々を誰何している
様を示しています。この間は一瞬。獲物だと見れば飛びかかってきます。
敵ならば容赦しない。敵意がなくて、穏やかさを保ち、虎より賢い者だけ
がこの関門を抜けることができます。とぼけてフレンドリーさを装ったり
すると、なめとんのか、と殴られます。致命傷を負うことでしょう。
中庭の井戸。
虎口を逃れたということで、庭でも見ます。
虎を縛りに行く?
何ですか、それ。
究極の話、あの虎を縛るには誰何された者がそれぞれに恥ずかしくない己を
虎の前に示せれば良いわけです。もっと言うと、自らも一匹の虎となって
屏風の虎に入れ替わるくらいの充実度と覚悟を示せば良いのですが、そうなると
屏風が空白になってしまいます。屏風の虎が逃げ出す、という話もそのへんから
来ているんでしょうな。下手に虎を描くと、対決して虎を打ち負かす連中が次々に
出てくる。
最後に、一休寺納豆を使ったお菓子と抹茶を頂いて、虎退治のしめくくりといたします。
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