聖護院近辺にある熊野神社。
八橋の本店があります。
以前は天気にもよりますが、このあたりに降り立つと肉桂の香りが漂って
いることがありました。八橋の町。
同時に、修験道の一派の本拠地でもありますよ。
熊野修験、吉野修験が日本の修験道の基本ですから、ここにも熊野神社
があるのです。能「谷行」で洛中の子供が先達に預けられたのは、熊野詣
の京都での出発地というか、個人の山入りの登録を行う場所が修験者の拠点
だったからです。
向こうに見える露店に心引かれながら、境内に参りますよ。
熊野神社は比較的参りやすい場所なので、何度か来ていましたが
今回見落としていた物がいくつもありました。
クルシャ君が狛犬(唐獅子)にそっくりだと分かってから、神社の
狛犬が気になって仕方ない。
まずは参拝をしてから
さっそく、狛犬の尻尾を観察です。
どんなに似た顔かたちをしていても、この尻尾の部分だけは個性的なのが狛犬。
以前から申し上げている通り
狛犬は尻尾を見るべし。
こちらも見事にふわふわ。火炎型ですね。不動明王の気迫を宿しているわけです。
基本的に、造形物の細部には近代以前の神仏習合の観念が生き続けていますよ。
八咫烏さま。
熊野のお使いはカラスです。今でも海上に船で供物を差し出すと、カラスが一羽
やってきて供物をさらっていく、という神事があります。面白いことに必ずカラス
がやってきて供物をさらっていきますよ。
今回確認したかったのはまさにこちら。
絵馬の図柄なのです。
これぞまさしく熊野牛王宝印
日本語のIMなのに、飼主の辞書には牛王宝印で一発変換できません。
毎回辞書登録させられる度に、なんだろうと思いつつ
牛王宝印は中世から命がけの約定を交わすときに用いられてきたものです。
有名なのは、清洲同盟(清洲会議じゃありません)の時に、家康を呼んだ信長が
この牛王宝印に同盟の約定を記して、盟約を結びます。ただし、後の伝によると
信長が文書が残ると後に徳川を裏切るときに証拠が残ると良くないと考えて、
「互いに紙切れなど信じるのはつまらないから、これを割って誓約書を呑み込んで
腹中に収めようではないか」と提案し、牛王宝印を二人で呑み込んでしまったという
話になってます。盟約を牛王宝印という、破れば天罰を食らうという文書に認めた
後に、すぐさま反故にした。しかも腹中に入れるということで、徳川の迷信を突きながら
自分は神仏なんか全く信じていないので、文書が残されるよりはましよ、などと考えた
とも取れる、まさに信長らしいエピソードとなっております。
最近では、自民党の国会議員が会派の誓約署名に牛王宝印を使った、というのがニュース
になってましたね。
絵馬にも残る熊野のカラス。
実は、こちらの御守り等配布所でもって、熊野牛王宝印が購入できます。
新宮まで行かなくてもいいんですね。とても便利な情報でした。
境内の別の狛犬の尻尾。
これはまた個性的な尻尾です。
ケ、ケルティアンノット?
顔つきも個性的。
スターウォーズでパドメがアリーナで戦った、ネクスーという怪獣に似てます。
ネクスー、で検索。
実は、クルシャ君を迎える前に、新宮に出かけて牛王宝印を受けて来たのです。
命がけでクルシャ君を幸せにする、そのための形が欲しかったのですね。
いつかまた、今度はここに牛王宝印を受けに来ることがあるでしょう。
人生には、命がけの約定をする価値があるのです。
ところで、こちらはおまけ。
バスの窓からの撮影です。
し、新撰組が壬生を行進してる。
偶然ですが、全国の新撰組愛好家といいますか、心酔なさっているのか何か
存じませんが、愛好の士が壬生に集結するイベントを目撃してしまったようです。
犬も歩けば棒に当たる。
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