クルシャ君がいつものように、間合いを近づけて来ません。
いつもなら、飼主のところにやってきて、頭殴ったり、髪の毛引っ張ったり
するのですが、派手なイタズラをやらかした直後なので警戒(決して反省
ではない)しているのです。
イタズラの被害に遭ったのがこちら。
いつもは玄関横の靴箱の上に置いてあります。
台湾土産で貰った印鑑台なのです。
御覧のように唐獅子が絡んで三つ巴になっているのがなかなか
面白い意匠となっております。
長年、中の朱泥を放置してきたので、固まってますが、置物としては
愛蔵しておったわけです。クルシャ君は、この工芸品にひどいことしました。
玄関に置いてあって、それなりの重量のあるこの印台を故意に落として破壊
してくれたわけです。これまでに、線香立て四つ、香炉台三つを同じように
落として破壊してくれています。
さすがに、これだけの大物を破壊するとクルシャ君もただではすまないと分かった
らしく、呼んでも近寄ってくれません。
破壊された朱肉容器。
破壊されて初めて分かるこの工芸品の作成方法。
唐獅子の細工の足下から綺麗に剥がれてしまっています。ここで土台に接着
されてたんですね。一塊の練り物か石から加工されたものではなく、唐獅子
の細工物を練り物でもって形成して、別の朱泥容れの蓋に貼り付けていたわけ
です。今まで気にしたこともなかった。
あ、ほんとだね
うわ、寄ってきた。
クルシャ!
ひゅーん
一瞬だけ寄ってきて、すぐに飛び退いて、また離れたところから
様子を見ているクルシャ君です。
1メートル余りの高さから、玄関の石にたたき付けられた印鑑台は
こんな感じに分解しております。
唐獅子に似たる くるしゃの 獅子放ち
そぞろあはれを 誘ひぬるかな 飼主
この状態だと余りにかわいそうなので、なんとか元通りに破片を集めて
復元しておきました。
復元品は、もちろんクルシャ君の手の届かない場所に安置。
もう印鑑はつけませんね。
そんな寂しい玄関脇の靴箱上に、50年ほど昔のメキシコの土産物が登場。
古い家屋の整理をしていて、飼主が助け出した神様。
ウィツィロポチトリ様です。
たぶんね。この壁掛けのどこにも名前は書いていないのですが、図像学的に
ハチドリの冠を被ってらっしゃるところから、ウィツィロポチトリ様に違いない
と思えるわけです。
余が見張る故、イタズラするでないぞクルシャ。
ひゅーん
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