卯年。ウサギを見れば虎は襲う。大型猫に出会ったとき、必ず何度も注意されるのが、背中を見せるなということなわけですが、それも、背を見ると彼等は獲物だと認識して襲うように行動がセットされているからなわけです。
ところが、ここに本能を制した猫が居ます。
窓辺に張り付いて、鳥などを見つけると、猫は葛藤鳴きとでも呼べるような、特異な反応を示します。
口を小さく開けて、連続的に、声を出しながら歯を見せて口の開け閉めを繰り返す。獲物が見えるのに手が出せない状態で、獲物に心が奪われている状態です。本能なんだからどんな猫にもあるんだろうと飼主は思いますが。
しかし、クルシャ君の葛藤鳴きを、飼主は見たことが無いのです。
上の写真は、小鳥の気配がする窓を気にしながら、目を逸らしているクルシャ君。
なんだろうね。カント的な道徳律でも獲得したのでしょうか。飼主は、猫に於ける理性の発現を発見したのかもしれません。
こうした猫たちが敢えて背中を見せてくるのは、好意の徴。
そして、小鳥さんたちには、もっと窓辺を使って欲しいクルシャ君です。