猫と暮らしていると必ず起きることです。いつの間にか、猫の方が飼主より威厳を放つようになる。
数ヶ月前から、彼は飼主の生体年齢を越えてしまいました。飼主はなんだか偉そうに物の道理などを説けなくなってしまいました。
今や長上であるクルシャ族長にお仕えする立場になっています。いやまて、お仕えしていたのは、彼が二ヶ月半の子猫の時から何も変わってませんよね。
古代ギシリアの焼き物というか壺の様式にオイノコエというのがあるんだが、もう誰かペダンティックな作家が老いの声と掛けて小品でも書いてるんではないか。実に簡単な発想であるから、誰かやったに違いない。やってないなら、飼主がやるぞ。
飼主の目指す老いとは、『神仙伝』に出てくる渉正みたいな得体の知れないやつだな。是非君もそうなり給え。
いやです。
いやだろうね。
水のソーテール3: 悪魔オフィオモルフォス (うるたやBOOKS)
東寺 真生うるたや