日暮れまで、四条を歩いて参ります。祇園祭の夜、飼主はクルシャ君に会うまでこのあたりを歩き続けているのです。
長刀鉾からさらに東へと進みますと、もうあまり山鉾がありません。東洞院松原から上がった辺りに、ひとつだけあるのが最も東側だったように記憶しております。現在繁華な地域よりも西寄りに山鉾が集中しているわけです。
京都市は歴史的に中心地が東へと移動しております。このまま東漸いたしますと、いずれ鴨川も越えるんではないかと思われますよ。
自然現象ではありませんので、そうはいかないんですが。
2年間くらい覗いておりませんでした路地なんかを久しぶりに見ますと、いくらか変貌しております。店先で餌皿を置かれて、座って嬉しそうにしている猫を見ました。
良かった。クルシャ君、京都市はまだ我々の知っている京都市のままですよ。
さていよいよ日暮れとなりまして、新しい茅巻を提げてクルシャ君の待っている家に戻ります。
彼へのお土産は、猫パウチにしました。喜んでくれるでしょうか。
ただいま。
やはりそこから飼主の帰りを待っていたのですね。
お土産がありますよ、クルシャ君。
水のソーテール2: 歌うメムノン (うるたやBOOKS)
東寺 真生うるたや