昼間のクルシャ君は避暑できる場所を探しながら飼主なんかには広すぎる家の中をあちこち移動しているようです。
彼のこの胴体全域に渡る毛乱れですが、どうも舐めて身体を繕うと言うより、濡らすことで多少でも涼もうとして勝手に舐め散らかした痕跡のようです。
そんな季節だねクルシャ君。いつものように、ママが子猫を冷やしてあげるように君のことを濡れタオルでもって拭くかね。
やってもらえますか。
お
いつものように、全力で拒否しないんですね。ことしは格別暑いですもんね。
よしよし、丹念に冷やして差し上げましょう。
何か微笑しているようだが、必ず策を抱いておるのだろう。お見通しだ。飼主は君よりも君のことを識って居るぞ。
ここは、策に掛かった振りをしてクルシャ君の新しい行動を引き出してみよう。
はいはい、自分の足を寄せて嗅ぐような愚行をして見せても騙されませんからね。
この後、濡れタオルを持っていくと、この足でしっかりと蹴り倒してくださいました。
不可思議立体 (うるたやBOOKS)
東寺 真生うるたや