ええ、こういうタイトルはブログ始まって以来じゃないかと思いますね。
実は、こういう論文概要を見つけましてね。詳しく読んでいくと、アトピーの一種だと思われていた上皮細胞の荒廃・炎症の機序について、死細胞が阻害原因物質を出して、正常なアポトーシスが行われないようにしているらしいという話を仕入れたわけです。
すごいことなんですか?
すごいことだね。飼主は粘膜周辺をあんまり派手に洗浄すると傷んでしまうみたいな話を仕込まれていたんで、晴天の霹靂ですよ。
逆じゃねえか、って話。
上皮の死細胞は、世代交代を拒むように、アポトーシス専門細胞の仕事を邪魔するようなCD300aというタンパク質を組成する。
こいつのために、細胞の世代交代が進まずに、言わばゾンビみたいなやつが砦に立て籠もって死ぬことに抵抗してるわけだ。そろそろお時間です、と言い渡しに来るT細胞をCD300aが阻害する。
こうして、本来ならば寿命が尽きた故に、次の世代に場所を明け渡すべき細胞が自己の死を否定しながら居座り続けるおかげで、上皮細胞周辺に糜爛が生じてしまう。
どこかの国の役立たずの企業みたいなもんだね。
すると、日常に於いて、上皮細胞の炎症に困っている者はどうすればいいかというと、入浴や洗顔時に、粘膜で炎症が起きている部分があるならば、その部分を丁寧に洗って死細胞を頻繁に除去するように努めるならば、抗ヒスタミン薬なんか要らん、ということになるわけだよ。
そして、この話をただ聞いて過ごすだけでは無く飼主はこの数ヶ月、項、耳の裏、鼻の脇などというよく荒れやすい場所を意識して丁寧に洗うことにした。
すると、やはり、その部分で起こりがちな炎症がほぼ無くなったよ。
抗ヒスタミン剤が無用という話ではないので、お間違いなく。
適度な浄拭によって、潔くこの世を去らない既に死んでいる連中に引導を渡すと、その部分に余計な手当をしなくて済むことがある、ということでありますよ。
数ヶ月実践した結果だから、飼主に関しては間違いない。
猫にとってのルーティンですけどね。
そう、君らにとっては丁寧に顔洗いすることは常識でさえない。常識以前の話。
またひとつ、猫の優れた生き方に学ぶことになったようですね。
ウルタールのうる: 巻三十二 (うるたやBOOKS)
明鹿 人丸うるたや