昼の日向で腕を伸ばして、掌を見せているクルシャ君。
横になって、仲良しにだけ見せる「腕伸ばし」をしてくれているようです。
クルシャ君の掌の色は黒いのが良く判ります。
その昔、マンハッタン計画を完成した責任者だったオッペンハイマーが日本で核兵器が都市攻撃に用いられたという話を聞いた後に、トルーマンと初会見した際、「私の両手は真っ赤です」と責めたところ、大統領は「私の手の方が赤い」と言って激高し、オッペンハイマーの職を解いたとかなんとか。
手の赤さ比べなんかして怒ったり、責めたり意味が分からないよ。
とりあえずクルシャ君は、よく手習いをして、墨が洗っても残っている勤勉な子供みたいで心証が宜しいのです。
手は黒く、腹は浄く白い。
それがクルシャ君です。
今日も飼主が買ってきた菓子パンをこの黒い手で転がしてあちこち運んでました。
イタズラするとあらゆるものに痕跡をものこしがちな掌です。
ウルタールのうる: 巻二十四 (うるたやBOOKS)
明鹿 人丸うるたや