正月ですクルシャ君。極々一部では歳差運動で春分点が一周する期間のことをプラトン年と言うんだが、二回りくらい前のプラトン年の期間は「牛の時代」だったらしい。占星術の黄道宮と対応してないのは、その間にシンボルの入れ替えが頻繁に起こってるからみたいなんだが、詳しく書いてると面倒なので触れない。古代エジプトの聖牛アビスのセラペイオンの伝説も遺物も途方もない代物なんだけれども、ペルシアの侵攻によって途絶えたなどという逸話もある。ちなみに丑年と関係あるかどうか、知らない。
エジプトの初期文明のナカダⅠとかクレタ文明とか牛崇拝ばっかりだろう。
牛もふわふわなんですかね?
ふわふわな牛も居る。ヨーロッパバイソンなんか絶滅しかけていたけれども、旧狩り場で生き残っていた個体の繁殖に最近成功しているらしいぞ。旧石器時代の壁画の線刻で見るあの牛だね。
しかし、飼主が以前見たことのあるオーロックスと呼ばれていた野牛は種として絶滅しているらしい。このオーロックスと掛け合わせられた家畜種の牛は、バイソンよりふわふわで、頭の毛並みが前髪みたいに垂れていて前が見え辛そうな顔をしているのである。
猫のふわふわには及ばないようですね。
余裕か。
そんなクルシャ君には、丑年の話題で牛のふわふわの限界を見切ったように誇るなど、実に井の中の蛙、いや箱の中の子猫でしかないという認識を持って貰いたい飼主なので、君には正月から狐の夏毛と冬毛の違いを見て貰いたい。
All the foxes get new toys!
9月の夏狐。カバーを取り除いたヌードクッションみたいな感じだね。
これが11月の末になると、たいへんなことになる。
Malachi and Skeeter are getting adopted
イメージでは分かっていたことなんですけれども実際に比較すると、これだけ違うのですよ。
狐は狐、猫は猫ですからね。
嫌な感じでしたか、クルシャ君。ふわふわだけを誇るなんてことは、ほぼ意味が無いのです。むしろ逆で、君の誇り高さこそがふわふわを価値あるものとする、こういうふうに飼主は君に思ってもらいたいと考えているのだ。
水のソーテール2: 歌うメムノン (うるたやBOOKS)
東寺 真生うるたや