8歳になったクルシャ君は、この夏、新しい行動を身に付けました。それが、猫の生存拡張の枠内にある行動なのかどうか、最早分からない地平に到達しています。
クルシャ君は夏になってから、朝のおやつと夜のおやつ、二回のおやつのうち朝の分を療養食の缶詰からちゅーるに変更されました。夜のおやつはちゅーるなので、日に二回ちゅーるを貰うことになります。水分補給にもなるし、缶詰の分け与えについては、気温の高い夏の時期なので不適当だと飼主が判断したからでもありますが、まあちゅーる大好きみたいで良かったな、と。
朝のちゅーるについては、早めに貰いたいクルシャ君です。条件としては、飼主が寝床から立ったら、すぐ貰えるということをクルシャ君は知っています。
夏至のエクリプスの頃まで、クルシャ君は前夜の疲労困憊の為に泥となって眠っている飼主を起こそうとして、散々な嫌がらせに励んでおりました。そう、それは我々が出会った時からずっと同じでした。
毎朝、飼主の寝床にやってきては、首を踏んだり顔に座ったり、足首に歯を当てたりして、とにかく起こそうとしていたわけです。
こうした猫による起きがけへの奇襲行動は、よく報告されています。実際、サオシュ様やウルタ君もやってましたからね。
しかし、クルシャ君はその先を飼主に見せてくれるようになるのです。
2020年の夏至の夜以降、クルシャ君は寝起き前の飼主の夢に介入して飼主をふわふわの世界への関心へと誘うことによって、よりよく目覚めさせかつ、己の目的を達成する行動を身に付けることが出来ました。
その行動とは
寝起き前の夢見時。飼主の素足を自分のふわふわで包み込む、という猫的で優雅な魔法です。
よく会得した。
次回、その仔細について報告いたします。
ウルタールのうる: 巻二十四 (うるたやBOOKS)
明鹿 人丸うるたや