いろんな場所で眠っているので、猫の主寝場がどこなのか、はっきりしていない
ものと思われがちですが、クルシャ君の場合、本格的に休む場所は決められて
いるようです。
完全に弛緩して、くったりタオルみたいに横たわっているのは
いつもの飼主の部屋の床なんですが、飼主がベッドへと去った
後のこの部屋が、実はクルシャ君の主寝室となっております。
この夜は、いつもより夜更かししていたので、クルシャ君は飼主が
去るのを待たずに、いつもの場所で寝落ちしたようです。
この隣がベッドのある部屋なので、クルシャ君も飼主の様子を
確かめながら寝ているようなつもりなんでしょうか。
前の家でも、ウルタ君は飼主が去った後、飼主の向かっていた机で
長くなって寝ていました。
前の家では、飼主の部屋とベッドが離れていたので、要するに
飼主が居座っている場所を取りに来てるだけなんでしょうか。
翌日は、珍しく机の下に潜ってました。
猫の気分は類推も共感もなかなかしづらいところです。
それでも、ウルタ君やクルシャ君の気持ちがなんとなく分かるような
気がします。
決して一緒に寝てくれなかったウルタ君でしたが、飼い主が離れた
椅子や机をよすがにして繋がってくていたのかもしれません。
そんな奥ゆかしさはあまりない、この族長。
カフェテーブルの下に潜って、遊びに誘っている状況。
分かりやすくて、はっきり主張する割に、猫らしく物陰から窺う。
この秋から、マルケスとは似ても似つかない族長のかわいらしさが
黄金期に入っていきます。
ウルタールのうる: 巻三十 (うるたやBOOKS)東寺 真生うるたや