幼い頃から、毎日体の弱さを庇うようにしながら
日々養ってきたクルシャ君も7歳となって、なんとなく
大人びてきました。というより、既に十分賢くなってきて
います。
サオシュやウルタ君より、子猫の時から賢い子だなとは
思って見ておりましたけれども、最近は飼主の日程管理
なんかしはじめるようになりました。
こうしてあっさり書くと、ふーんと聞き流してしまいそう
ですが、あんまりいないと思いますよ
猫に日程管理される人。
冬の日、日中共に過ごす時間が長いとき、クルシャ君は自分が
朝に起床させた飼主が作業しているのをこうして横に感じながら
陽に当たっています。やがて、時が満ちると、猫秘書としての仕事
を精確に履行します。
そろそろ、食事をするのです。
いや、ちょっと待って。
手が離せないんだ、なんて言い訳をしていると
肩に飛び乗ってきて、飼主が応じるまで髪の毛を
引っ張ったり、耳を舐めてきたりいたします。
とにかく、要求が終わらない。
食事、というのはクルシャ君の食事ではないのです。
彼のフードは飼主が既に充分与えてあります。
要求に応じるために立ち上がると、
それでは、あとに付いてきてくださいね。
いつものように尻尾を立てて先導します。
食事をしていると、テーブルの向かいの椅子に座って
食事が終わるまでクルシャ君が見ています。
こういうのが続いているので、どうも当然のように
思っておりましたが、やはり食事時間や風呂の時間まで
猫秘書に指示を受けている者なんかあまりいないような
気がする。
いや、いまい(断定)。
この後、ちょっと遊んで、また飼主が用事をしていると
同じようにして「お風呂に入るのです」と要求してきます。
風呂から出ると、クルシャ君は既得権であるちゅーるを
要求して、飼主が必ず与えています。
ひょっとすると、繰り返すスケジュールの進行を管理する
ことでちゅーる貰えたり、フード貰えたりすることを
覚えたのかも知れない。そう思いたくなります。
ただ、仮に条件付けで説明できたとしても、実際飼主が
クルシャ君の日程管理に助けられているし、ありがたく思って
いるのは本当のことですよ。
そういえば、就寝前20分くらいになると、必ず現れて
飼主の足下から、見上げつつベッドへ向かうように促すのも
クルシャ君の日課です。
あと三時間したら、寝かしつけに行きますからね。
お手数掛けます。
ウルタールのうる総集編: 3 (うるたやBOOKS)明鹿 人丸うるたや