対話的というのだか弁証法的というのだか知りませんが、クルシャ君に
学んで貰っているつもりな飼主が、実はクルシャ君から飼主が教えよう
としていること以上に教えられているのではないかと感じることがあります。
鍵はこれ。
おもちゃは猫のロゼッタストーンです。
ヒトの近くに持ってくることも確かに多いのですが、
食事場所の脇に置いてあることもあります。
こっそり運んでいることもあれば、盛大に鳴きながら
運ぶこともあります。
おもちゃ使いでクルシャ君のことを理解できることはあるとして、
もうひとつ、猫の魅力はワイルドなのに上品で礼儀正しい側面を
ヒトが感じるところです。現代でも変わらない化粧の基本は古代エジプト
のハトシェプストなんかが始めた猫儀礼における神官の猫真似が起源です
からね。出会った者同士が緊張を緩和して共生できるようにする作法とか
仕草や態度の最適化が、上品さをうかがわせるのです。このへんは猫がよく
身に付けています。ほぼ本能的に。
構って貰いたいクルシャ君に飼主が注意を向けます。
しかし、ただ近寄ったりまっすぐ目を見つめたりするのは
無礼なのです。作法ができていない、クルシャ君はそう教えてくれます。
でも、自分より明らかに弱い子猫とか人間の子供の場合は許容できる
ようで、教育的警告(殴る、嚙む、唸る、口を開けて脅す)は行われません。
もちろん、飼主が無礼なことをすれば、直ちに容赦ない報復が行われます。
基本的に、上記の警告的行動以上のことを何でもします。
では、そこそこご機嫌なクルシャ君に対して、節度を維持しながら追いかけて
みるとどうなるか、御覧下さい。
くねくねしてキスする猫
注意を向けられているのが分かって。転がってくねくねしています。
追いかけると、近くを移動して、さらに寄っていくと鼻を近づけてキス。
仲良しにだけする、猫の挨拶。
この控えめな挨拶に宿っている親愛の気持ちを吸い主はクルシャ君や
ウルタ君から教えてもらいました。
まずは礼儀、そしてどんなときも礼儀です。
いやいや、君ちょっとでも不満があったら、横暴きわまりないよね。
水のソーテール11: 洗礼のダエーナー (うるたやBOOKS)東寺 真生,明鹿 人丸うるたや
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