アリアンが去ってしまう二日ほど前、飼主は様子を見に行きました。
この日の三日ほど後が満月。中秋でした。
猫たちの生滅は月のサイクルとほぼ同じなので、飼主もこの日が彼女と会う最後の日だと覚悟して居りました。
最早自力では起き上がることも出来ず、頭を持ち上げること位しか出来ません。
彼女がまだ元気だったとき、抱っこが苦手なアリアンを抱いて、飼主は軽くキスをしました。その際、目を大きくして喜んだことを想い出します。
この日は飼主がアリアンに近寄って、軽くキスをしました。
朦朧としながらも、キスには応じてくれました。
そしてまた横になる。
どうか旅の途中でもウルタ君と出会って欲しい。
二度、そして三度、アリアンにキスを。
全ての炎を使い切ったアリアンにも最後のキスを。
ありがとうと告げるために、花を献じました。