真夏の強い陽の光には蹴倒されそうになりますけれども初春の朧気な弱い光には紛れ込めそうです。
そして、明るい場所の陰影に紛れ込む天性のシルバーマッカレル迷彩を持っているクルシャ君は、飼主の前で光に紛れ込んでいきます。
どうですか?
何が?
見えなくなりました?
クリアに見えていますよ。
ふふふ。そのうち
あ、見えない。クルシャ君が見えないぞ。
眼球に陽の影を透過させると、その表面に薄赤い影が出来ます。
美しいものです。クルシャ君も弱い陽と戯れています。
ウルタールのうる: 巻二十八 (うるたやBOOKS)
明鹿 人丸うるたや