まだ友人らと出歩いていた時なんかは、飼主でも「好きな映画は何?」なんてよく訊かれた。どう答えたのかあまり憶えていない。おそらく、相手が喜ぶようなタイトルを並べたんだろ。
趣味嗜好の話なんて、大方訊いてくる相手に合わせて本心を言わないものですよ。面倒ではありませんか。「ブガッティロワイヤルの女」が良かった、なんて言えませんよ。
それで思い出したんだけれども、マンディアルグの『猫のムトンさま』の哀しさと、あの映画の奇跡のような別世界の重ね方は似てないか。
似てない? いいんですけど似て無くても。
あの類の決して同じ時間を生きない人たちの交点を描くような作品は好きです、ちょっと。自分でも書いてますが。
猫のクルシャ君は特に興味ないみたいですね。