猫には正面があります。茶碗のように。
こちらはクルシャ君の横顔でありますが、彼の正面は頭をやや左に傾けながら、目を右に向けて向き合う所謂「クルシャ君らしい顔」なわけです。クルシャ君の正面は子猫の時から変わりません。マケドニアのアレクサンドロス三世が顔を右に傾けているのが正面だったのと同じです。そうだな、カサンドロス?
正面姿勢を取る直前のアリアン。
そして、こちらがアリアンの正面姿勢。本当に真っ直ぐ立ちます。
記事をずっと遡って頂けたならば、彼女が子猫の時にウルタ君の立派な姿を見ながら、この正面姿勢を保っている様子がいくつか見つかるはずです。
目を真っ直ぐ置いて、少し上を見る。
前足はハの字に構える。
恐れがない顔をして、耳を立てて、興味を探る。これが彼女の姿です。
久しぶりにアリアンの正面が見られて良かった。ウルタ君は彼女にいろいろ見せていたけれども、アリアンはいつもこの姿勢でいつもウルタ君の様子を見て、尊敬しているようでした。
仲良くしようと、瞬きしたり欠伸したりしましたけど、ずっと怖がっていたお姉さんですね。
君がアリアンと全力で仲良しになろうとしている姿を飼主は見ました。そして、思いましたよ。この子は特別だ、決して傷つけることなく自らを犠牲にしても愛する価値がある子だと。
五月二十四日、気象庁による3か月予報が出ています。気温も降水量も平年並みか、やや高いまたは多い傾向である、と。
ウルタールのうる: 巻六 (うるたやBOOKS)
明鹿 人丸うるたや