本当に出歩かないので、なんといいますかネタが無い。同時に、些少なことでもって感動できるようになったような気もします。
そんなことないですかね。
この時代を迎えて、昨年教皇フランシスコは仰せでした。「家族や愛する人との時間を大事にしてください。野の花に目を向けて下さい」
鳥と話したという聖フランキスクスの名を持つ教皇らしいスピーチだったと思いますね。
飼主は五月末の深夜に、いつもの時鳥が鳴いてるのを聞いて夏が来たなと思ってますけどね。
実はこの場所、極めて正確に季節を刻んでいます。当たり前ですか。そうですね。でも、この場所に限っては不定期な音も聞こえて来るんですよ。
祇園囃子の練習の音ですか?
去年聴かなかっただけで、それは定期的なものですよね。弁慶が杖突いてる音とか、遮那王が篠笛鳴らす音ですよ。今度鳴ったらスマホで録画してやろうと思ってます。
いや、質問してごめんなさい。
本当に聞こえるんだよう。おかしいな、遮那王が元服する前の骨でも埋まってるんじゃないか。
また小綺麗だった屋敷が撤去され、更地となった場所が増えました。ここには晩秋にエンジェルトランペットの大木が花を咲かせるやや瀟洒な感じの私邸がございました。
このへんだと、三位参議の寝殿があったりしたんじゃないのか。光円寺の近くだから、親鸞の生前の声がしたり、道元禅師示寂の地がすぐそこにあるから、道元が白山大権現か何かと稿を練ったりしてる声がしたりするかもしれない。
かつての庭園に咲いていた花が種だけ残して生を繋げています。スターチスも咲いているし、後にはポピーも咲いてました。
これらの種を求めて、キジバトなんかが降りて居たりしますね。
聖賢たちが通った場所も、空き地の花園です。徒に自他を比較し、他を侮る勿れ、慢心する勿れと彼ら全員が説いてる訳なんですが、未だに実現してないから、上根だけ救われれば良いくらいに思ってたのかもしれませんな。
螢火白楊 (うるたやBOOKS)
東寺 真生うるたや