神話の文学的構造分析なんてことをやるとうんざりするしあんなものこそAIに投げれば良いと思いますね。変奏と入れ子の繰り返しなんだから。
そんなことより飼主は、物語の発生について、現在の社会状況で発生の兆しを変数化すること、要するに従来言われてきたような、語りの繰り返しが社会的に高頻度で発生する要件としてisolationとseparationが「本当に」正の関与をしているかどうかについて、観察するいい機会だと思いますね。
試しに、話芸が復活するかどうか、落ちの繰り返しをやってみよう。
飼主のクッションの上で餅みたいになっているクルシャ君、九歳になったから、昔飼主が薬局で貰ってきて嗽していた粉薬知ってますね?
アズレンですか?
そう。アズレンスルホル酸ナトリウムというやつで、粉薬なんだが、これを湯飲みの水に溶かして口腔内洗浄する。アズレンが何なのか知らないけれども、とにかく青い。アズールというと瑠璃のことだから、そもそもアズレンは青い薬、ということなんだろうね。
ヨードの嗽薬で赤いのはあるよね。でも君は飼主が青い薬以外で口の消毒してるの、見たことあるかね?大体がアズレンだと思うよ。
そんなことありませんよ。軟膏のタイプで、飼主が口内炎の手当をしてるの見たことありますから。
たしかに口内軟膏あるね。その薬の色は、何色だい?
青色です。
アズレンだな。
ところで、飼主が使った口内消毒薬は軟膏タイプのアズレンと粉のアズレンしかないし、世間の口腔内洗浄薬と言えば、ほぼアズレンってことでいいよね。
いいえ、違います。飼主はコップに水を入れて、その上から加滴して使う、液体の洗浄薬使ってたじゃないですか。
確かにあったね。そうか、そういうのもあったか。しまったな。で、その点滴薬の色は何色だったかな?
青色です。
アズレンじゃないか。
螢火白楊 (うるたやBOOKS)
東寺 真生うるたや