この日はクルシャ君にしっかりと伝えておくことがありました。猫と暮らすときに気をつけたいのは、瞞したり裏切ったりしないことですね。猫だと思って侮っていいようにしようとして、欺いたりなどすると、必ず嘘や裏切りを覚えていて復讐されます。
自由と尊厳が猫の本領なので、最大限に尊重することが基本なのです。
こうしたことはサオシュ様がよく教えてくれました。むしろこうした基本を再教育するために猫が見守っていてくれる、くらいに思って暮らしていればちょうどいいくらいですね。
そういうわけで、クルシャ君、君が飼主から瞞されたと思わないように半日前から今後の予定を何度も言い聞かせておきます。
クルシャ君、君はお風呂で洗われます。準備しておくように。予定は変わりません。
顔が曇っているので、何を言われているかは理解したようです。身勝手な猫でもあるので、予め言い聞かせた嫌な予定を変更されてしまって、結果として災難から逃れられた場合でも、嘘を吐かれたと悲しんだり怒ったりすることはほぼありません。
しかし、今回は実現します。
このように、ふわふわを取り除くと、クルシャ君もおよそふわふわでできていることが、目で見て判るようになります。
次回、乾くまでのお話。
水のソーテール5: ベッセン・ベリテン・ベリオ (うるたやBOOKS)
東寺 真生うるたや