『ウルタールのうる』第十四巻が出版されました。
話が進んで、「ローガール事件」のくだりになって参りました。
このあたりの話を書いてブログに掲載し、二月ほど経った頃でした。
深夜にコンビニをうろついておりますと、棚の向かいでその場を
去らずにこちらの様子をずっと見ている青年がいたわけですよ。
大学生くらいでしたろうか。近くに大学がいくつもあるので、学生
さんが他人のそら似で飼主のことを訝しんでいるのだろうと放って
おきましたら、そのうち同じ単語を繰り返すわけですよ。
ああ、これアレな展開かなと、できるだけ避けてコンビニを
出て行こうとしましたら、彼の呟いている単語が聞こえてきました。
青年は、飼主の方を見ながら「ヤッシャ、ヤッシャいいよヤッシャ」
と繰り返している。
新興宗教か何かの掛け声を呟いているのを飼主が聞き違えただけ
なんだろうと思いますが、まあこういうこともあり得る。
これ以降、迂闊なことは書くまい。すぐに居場所も人体も特定
されるのだと自戒したことがありました。
本ガイドが読者の皆様方にとって幾分かの助力となれば幸いでございます。
表紙
リンクス雑山猫隊 エフライム大将
リンクスの名家サーバル種の貴族出身。
理知的である一方、軍規の維持に関しては極めて残忍な処置をも戸惑わない。
リンクスの伝統的軍編成は種族のヒエラルキーに準拠する。純山猫種とされる
オオヤマネコ族以外をすべて雑山猫とし、祖霊の祀り方を制限することから
はじまり、公職から資産まで彼らリンクスの雑山猫たちは社会的評価や権利
に関して差別的待遇を受けている。リンクス軍内の雑山猫の最高指導者として
エフライムの職務は重要だった。
リンクスの対屍鬼戦では、軍務を疎かにする兵を見せしめとして「杭晒し」
にしたことによって、兵等には冷血漢と誹られる。
険塞台地の戦いでは、ヤキールと共にナタン中軍の翼陣を率いた。
一時逼塞したナタンの動向から、謀叛の徴候を察知し、鎮西軍に通報した。
魑行砂漠制圧戦では、積極的にウルタールの振動探知技術を自軍に習得
させ、半地下防塞の無力化に関して共同軍中随一の成果を挙げる。
リンクス敗戦の教訓から、軍事技術の研究の必要を特に主張するようになり、
後に研究のためウルプライムへと赴く。
第十四巻のあらすじ
女王不在中のリンクスでは、駐留中の鎮西軍とリンクス軍が来たるべき
対屍鬼討伐戦のために初めて共同演習を行うが、演習中に事件が発生し、
ナタン大将軍が謀叛を決意する。同時にリンクス首都ローガールでは
ナタンの謀叛を鎮圧すると称して、かつての険塞司令官ヤッシャが不死隊
を籠絡、王命親授軍を名乗り自ら総帥を任じる。ウルプライムの女王とウルタ
は直ちにリンクスへと急ぎ、ローガールの財を漁るヤッシャはエスターを得て
犯罪行為に耽溺。後に「ローガール事件」と呼ばれる内乱が勃発する。
キャラクターピックアップ
ヒレル
リンクス王宮所属の不死隊隊長および最精鋭の緋色不死隊隊長を兼務する。
ナタンの修行仲間。険塞台地の戦いでウルタ率いる突入部隊に回転陣を
破られて以降、回転陣の改良に全力を尽くす。その成果はローガール事件
における対超リンクス戦で発揮された。嵐のような戦闘状態で残弾も装甲
も限界に達したが、攻勢を緩めることはなかった。なお、部下らが疲労の
極に達していた際も、ひとり斃れた敵への敬意を示した。
事象
リンクス女子の社会参加
国主である女王は建前上全国民の女性を対象にして選ばれる。実際は支配
種族に限られている。リンクスで自らの意志を実現するには、二年間の
放浪を伴う修行を経ていなければならないが、女性に修行は許されて
いない。ライオンの若い雄が群をしばらく離れて、挑戦者として戻って
くるのと同様であり、女性は共同体の維持に専念する。しかし、貴顕の
婦女や異文化に親しんだ者、役割の強要に辟易した者らは不満を抱えて
いる。
ウルタールのうる: 巻十四 (うるたやBOOKS)クリエーター情報なしうるたや
新刊『ウルタールのうる』第十四巻
表紙 雑山猫隊 エフライム 「技術が戦場を支配する」
附 「ウルタール世界の地図」
ダウンロードしてすぐお読みになれます。
次巻発売開始迄には、当ブログ内の該当連載記事が
順次消去されていきます。