ランス君と暮らしているアリアンが彼と同じようにベッドに入って、片腕を伸ばしています。
彼女もそれなりに成熟してきたのに、いつ見ても初々しい。
この複雑な色合いのパッチドタビーという色分けは、いつ見てもどこかが少しずつ変わっているように見えて、不思議です。
彼らはお互いの姿勢の真似をしたり、離れて見ているときれいな対称形になったりしています。
ここでちょっと思うのですが
飼主は、クルシャ君に姿勢を真似られたことが、ない。
こんなこと思いついてしまう時点でどうなんだろうと思いますが、何かの間違いで昼のテレビを観てしまったらコメンテーターが五月の緊急事態延長決定の際に「国民はもう緊張の有頂天です」と言ってるのを聞いて「なんだそれ、命からがらバカンスにやってきました、みたいな言い方」とうっかり突っ込んだわけで、視聴者に対して全く以て混乱と不安と、こいつ大丈夫かと心配させてしまうくらいの自己の無秩序な知性を晒すよりは、ずっとましだと思ったりします。
こういうこと言うと、わが友は、下見て己を安んずる勿れやぞ、などと忠告してくれますけど。何も飼主はそこまで酷くない、と思いたいのではなくてこりゃひどいと思ってるだけなわけですよ。
まあ、テレビ直ぐ消したんですけどね。
乗船していて、転覆してしまったりすると、「海のもずく」になってしまったりしても、誰も文句言わないような乱れた国語が普通に電波に乗ってリビングまで直通するようになるんでしょうか。なるんだろうな。
もう、安心して見ていられるのは、美しい猫の横顔だけですな。
不可思議立体 (うるたやBOOKS)
東寺 真生うるたや