暑い昼間、クルシャ君は洗われました。
風呂上がりのクルシャ君は、タオルドライだけされて、濡れ猫のまま、熱心に毛繕いを続けます。濡れている間は、謂わば行動制限が掛けられているというか、防御力が落ちているような状態なわけで、原状回復しようと猫は集中しています。
やがて、中途半端に乾いてきますと、このように移動しながら毛繕いを継続するようになります。さらに緩く湿りが残るような状態になりますと、ハイになって通常の四倍くらいの行動力を誇示しながら鳴き回ります。
どうも、危険な状態から脱したことで躁になるらしい。トイレから出た直後、ハイになるのとほぼ同じ事だという。
もうすぐ、本来の力を取り戻しますからね。
本来の力とか、そういうの、こちらは承っておりません。常に全力で君の安全を確保しております。
といっても、理解しない。猫だから。
復活する、復活しますからね、うふふ。
いやもう目が怖い。逆光のせいか、濡れてるせいか知らないが、魔物の顔になってますよ君。
早く乾かして、いつもの天使に戻ってください。
水のソーテール3: 悪魔オフィオモルフォス (うるたやBOOKS)
東寺 真生うるたや